エレキギター用ヘッドホン・ヘッドホンアンプおすすめ3選!自宅での騒音対策も解説!
エレキギターを購入すると、テンションが上がってつい「ジャーン!」とやってしまいたくなりますが、ギターを弾くのって大体が自宅ですよね?田舎の一軒家なら問題はありませんが、住宅街やアパート・マンションでは、アンプをつないでギターを弾くと騒音トラブルになりかねません。
そこでおすすめなのが「ヘッドホンを使った練習」です。ヘッドホンを使えば、ご近所トラブルを気にすることなく毎日ガンガン練習できます。
この記事では、エレキギターを自宅で練習する時の悩みからヘッドホンでギターを練習する方法や必要な機材、おすすめのヘッドホンまで解説していきます。ギターの上達には、毎日触ることが大切です。騒音トラブルで悩んでしまっている人は、ぜひ参考にしてください。
エレキギターを自宅で練習するときの悩み
まずは、エレキギターを自宅で練習する時の主な悩みについて解説します。
1:騒音トラブルが怖くて練習できない
自宅でギターの練習をする際、騒音トラブルのことを考えたことがない人はいないんじゃないでしょうか?時間や場所に寄らずにプレイしてしまうと、「近所で有名な騒音ギタリスト」になってしまうかもしれません。
そのため、早朝や深夜などの迷惑になる時間帯を避けて練習する必要があります。しかし、日中は仕事や学校があるため練習できないという人がほとんどでしょう。仕事から帰ってきて、せっかく練習しようと思ってもご近所トラブルが怖くて練習できない。そんなジレンマを抱えている人は多いことでしょう。
そんな人は、この記事を最後まで読むことで、悩みが解決するかもしれません。
2:毎日練習が続かない
「ギターがうまくなるためには、毎日練習しなければならない!」そうやって意気込んでも、なかなか続かないという悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか?
それもそのはずです。ギターは、多くの人にとって「なくてはならないもの」ではないはず。例えば、寝たりご飯を食べたりすることは、「なくてはならないこと」なので、毎日無意識に続けられるでしょう。ギターは、それよりも優先度が低いので、毎日続けられないのが当たり前です。
ギターを毎日続けるためには、以下のようなポイントを意識することが重要です。(あくまで個人の意見ですが)
- 練習メニューを決めておく
- お気に入りの機材を使う
- 「本番」を設定する
- 「いつでも練習できる」環境を整える
- 好きなバンドのライブに行ってモチベーションを上げる
この中でも、「いつでも練習できる環境を整える」ことは、毎日ギターを続けるためには重要です。例えば、いつでもギターを手に届く位置に置いておいたり、ギターにストラップやピックを装着した状態にしておいたりすると、ギターを弾き始めるまでの手間が省けます。こういった工夫によって、毎日ギターに触る習慣ができれば、自然と毎日練習が続けられるようになります。
3:アンプから音を出したい
エレキギターは、アンプやエフェクターに接続して大音量で鳴らすことで真価を発揮します。しかし、アンプにつないで「ジャーン!」とやってしまうと、騒音トラブルになるため、怖くてアンプにつなげられない。そんな人も多いのではないでしょうか。
せっかく気に入ったサウンドのギターやアンプを購入しても、それらが使えないのではモチベーションが下がってしまいますよね。そこで、ギター本来の音を楽しみながらご近所迷惑にならないためには、以下の方法がおすすめです。
- スタジオで練習する
- カラオケに機材を持ち込む
これらの方法なら、音を鳴らしても誰かに文句を言われることはありません。ただし、利用料金や営業時間があるので限られた時間しか演奏できないということと、カラオケの場合は楽器の使用が許可されたところでしか練習できないことに注意が必要です。
エレキギター本来の音を聴きながら練習したいという人は、やはり「ヘッドホン」を使用するのがおすすめです。この記事を読んでいただければ具体的なやり方がわかるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
エレキギターの騒音トラブルに対する解決策
エレキギターの騒音トラブルは、多くのギタリストの悩みのタネだと思います。ここからは、その悩みを解決する方法について解説します。
解決策1:ヘッドホンを使用する
エレキギターの騒音トラブルを回避するための最もシンプルな解決方法は「ヘッドホンを使用すること」です。ヘッドホンを使用することで、他の人には聞こえないように、大音量で音を鳴らすことができるため、騒音トラブルを回避することができます。
大音量でギターの音を聞くことで、演奏のミスや表現方法も細かく確認できるため、練習のモチベーションが上がります。また、騒音を気にせずピッキングできることで、「変なクセ」が付かないため、上達が早くなることが期待できます。さらに、環境さえ整えれば自宅の好きな部屋で練習できるので、暑い日や寒い日でも練習でき、毎日ギターを練習するために障害になることもありません。
ただし、ヘッドホンでエレキギターから出る音を聞くためには、ギターとヘッドホンの間に何かしらの機器を接続する必要があります。具体的な方法については、記事の後半で説明します。
解決策2:防音室を設置する
エレキギターの騒音トラブルを回避するためには、防音室を設置するという方法もあります。防音室には自宅の中に設置できるものも発売されており、既存の住宅でも増築することができます。
ただし、市販されている防音室キットは安くて「約50万円程度」となっており、良いものだと「数百万円」するものもあります。あまりに簡易的なものだと、本来必要な防音性能が確保できなかったり、空調を入れることができず、夏は暑くて練習が捗らないなどのデメリットがあります。
また、防音室を設置してしまうと、その部屋の用途が限られてしまうため、住宅としての利便性が減ってしまい、家族にとっては迷惑に感じられてしまうかもしれません。
このように、実際に防音室の設置を検討するためには、十分な予算を見越した上で家族の理解も得る必要があるため、ハードルが高く、現実的ではありません。
解決策3:サイレントギターにする
「サイレントギター」とは、ヤマハが発売するギターの商品名です。ボディを持たず、フレームのみでネックと弦を繋ぐような構成になっており、その名の通り、ギター本体からの音が極端に小さいのが特徴です。
ボディがないことによって、収納した時には非常にコンパクトになるため、持ち運びにも最適で、出先でギターを弾きたい人にとっても最適な手段です。また、独特なスタイリッシュなフォルムから、リビングなどに置いていても邪魔にならないようなインテリア性も兼ね備えています。
ただし、2023年12月現在の価格では安くても6.5万円するため、「ちょっとギター欲しいな」という感覚で購入するにはややハードルが高いのが難点です。予算を気にせず、自宅や出先で使いやすいギターを求めている方にはおすすめですが、「エレキギター本来の音を楽しみたい」という目的からは外れてしまうため、そういう方には、ヘッドホンを使った練習がおすすめです。
エレキギターでヘッドホンを使用する方法
エレキギターをヘッドホンで練習するためには、さまざまな方法があります。それぞれの方法にはメリット・デメリットなどもあるため、どの方法が自分にあっているか確かめてみましょう。
方法1:ヘッドホンアンプを使う
ヘッドホンアンプは、ギターに直接挿入し、本体にヘッドホン端子をもつ装置です。サイズが非常にコンパクトのため、遠くから見ると「ギター本体にヘッドホンを挿している」ように見えます。
また、電池駆動のためケーブルが少なく、ギターを持つ時に音源との位置関係に気を使うことがないため手軽に利用できるのもメリットの一つです。さらに、人気のモデルでも「5,000円程度」と安価な価格設定のため、「ちょっと試してみよう」という気軽な理由でも購入できるかと思います。さらに、ものによってはエフェクター機能やチューナーが搭載されているものもあり、好みのサウンドに近づけることもできます。
ただし、本体が小さいため電力もそれほど大きくはなく、高品質で電力の大きいアンプにつないだ時に比べるとサウンドは異なってくるため、あくまでも「練習用」として使用するものであることには注意が必要です。
また、人に演奏を聞かせようとすると、ヘッドホン一つでは自分が音を聞くことができず、感覚が狂ってしまうためうまく演奏しにくいということも注意しなければいけません。
そういったデメリットを差し置いても、自宅で練習するためには最もおすすめの方法です。本記事の後半では、ヘッドホンアンプの接続方法やおすすめ機種について解説します。
方法2:マルチエフェクター・アンプシミュレータを使用する
マルチエフェクターやアンプシミュレータは、ギターに接続してサウンドを調整できるハードウェアです。卓上のものや床に置いてペダル操作で切り替えるものなどがありますが、ほとんどの機種には「AUX端子」がついており、ここにヘッドホンを接続することでギターの音を聞くことができます。
また、これら機器はライブや自宅でのレコーディングなどでも使用できるなど、練習以外のさまざまな場面で活躍する万能なアイテムです。
ただし、アンプとヘッドホンを交互に接続する時にはサウンドが変わってしまうため、それぞれ個別に満足できるサウンドになるように設定を保存して切り替える必要があります。
方法3:オーディオインターフェースを使用する
オーディオインターフェースとは、ギターの音をパソコンにつなげるための機器のことを言います。録音や配信を行うためには必須であり、パソコンを中継にしてヘッドホンを接続することもできます。
オーディオインターフェースを介してパソコンに接続することで、「アンプシミュレーター」が使えるというメリットもあります。アンプシミュレーターとは、パソコンに取り込んだギターの音を、理想的なアンプを再現させて出力するためのソフトウェアのことです。アンプシミュレーターを使うことで、実体がなくても高級なアンプの音を再現することができるため、高品質な音を作ることができます。
ただし、オーディオインターフェースを使った練習を行う際には、パソコンに接続して専用のソフトを立ち上げる必要があります。そのため、「すぐに練習できる環境を構築する」というポイントで考えると少しもったいない選択肢と言えます。
また、オーディオインターフェースならどれでもギターの音を聴きながら練習できるかというとそうではありません。オーディオインターフェースの中でも、ヘッドホンをつなげて練習に使えるのは「ループバック機能」が搭載されたものです。ループバックとは、ギターの音を繰り返して再生する機能のことで、これがなければギターの音は録音した後でしか聞こえず、音を聴きながらの演奏や配信には向いていません。さらに、ループバック機能が搭載されているオーディオインターフェースは比較的高価なものであり、安くても3万円前後となります。
そのため、練習環境を整える手間やコストがかかってしまうことから、オーディオインターフェースを使っての自宅練習は、他の2つの方法と比べるとおすすめはできません。ただし、高品質な音をパソコンに取り込めるため、自宅で録音したい人や配信もしたいと考えている人にとっては良い投資だと言えます。
エレキギターのヘッドホンを選ぶポイント
ここからは、ギター練習用のヘッドホンを選ぶポイントについて解説します。
ポイント1:開放型を選ぶ
ヘッドホンには「密閉型」と「開放型」がありますが、密閉型は外部の音を遮断する能力が高く、音に没入することができます。しかし、ギターの演奏については「音がこもって聞こえる」というデメリットがあります。一方、開放型は変なこもり音がなく、純粋に音を聞く感覚に近いので、ギターの練習に向いています。
また、密閉型は夏などの暑い日は、装着部が蒸れて不快になることもありますが、開放型では通気性が良いため蒸れにくいという良さもあります。これらの理由から、長時間のギター練習を目的にする場合は開放型のヘッドホンを選ぶことがおすすめです。
ポイント2:モニターヘッドホンを選ぶ
モニターヘッドホンとは、レコーディングスタジオなどで使われるタイプのヘッドホンです。通常のヘッドホンは、音楽をより魅力的に聞こえるために、多少の「味付け」がされています。例えば、低音がより強調して迫力的な音になるものや。中高音の再現率を上げるために繊細な音質のものなど、メーカーやモデルによってさまざまな特徴があります。
モニターヘッドホンは、通常のヘッドホンとは異なり「元の音のまま」を耳に届けるためのヘッドホンです。ヘッドホンで余計な音質の調整がされないため、ギターで使う際には純粋なギター音が聞こえるため練習時のミスもわかりやすく、表現力を高めるためにも向いています。
これらの理由から、ギター練習のヘッドホンを選ぶ際にはモニターヘッドホンを利用するのがおすすめです。
ポイント3:有線タイプのものを使用する
音楽を聞くためのヘッドホンには、Bluetoothなどの無線型が多く、ケーブルの取り回しなどでストレスになることもないため有線式がよく選ばれます。しかし、無線のヘッドホンには0.01秒程度の遅延が発生してしまうため、聴きながら練習すると感覚が狂ってしまいます。
また、無線対応のアンプや機器なども少なく、高価なモデルにしかないため、環境を整える上で余計な出費が発生してしまい、経済的にもあまりおすすめではありません。なお、ギターとヘッドホンの間には「ヘッドホンアンプ」や「マルチエフェクター」など、必ず有線で接続する機器を介するため、結局はどこかにケーブルが出ており、取り回しのストレスは許容する必要があります。
これらの理由から、ギター練習用のヘッドホンとしては、遅延がなく価格的にもリーズナブルな有線型ヘッドホンがおすすめです。
ポイント4:ケーブル長に少し余裕のあるのものを選ぶ
ギター練習用のヘッドホンは、遅延が少ない有線式のものがおすすめですが、有線式のヘッドホンには、ケーブルの取り回しがつきものです。自宅で練習する際には、ギターとヘッドホンの間に接続する機器の置き場が固定されているので、それに合わせてケーブル長さに余裕のあるものを選ぶのがおすすめです。
ギターを演奏する際には、多少頭が動くため、ギリギリの長さだとケーブルが引っ張ってしまい、演奏する姿勢に制限がかかってしまうことになるため、練習中のストレスが増えてしまいます。
ケーブルが長すぎるものだと、余ったケーブルを束ねておくスペースに困ったり、余ったケーブルの重さが邪魔になることもあるため、少しだけ長いものを選ぶのがおすすめです。特に、ヘッドホンアンプを使用する場合には、ギター本体にかなり近い位置からヘッドホンを接続することになるため、1m程度の比較的短いケーブル長さのものでも十分でしょう。
それに対して、アンプシミュレータやマルチエフェクターを使う場合には、机の上や床などからヘッドホンのケーブルが伸びることが多いと思うので、3m程度の長いものを選ぶと困ることなないでしょう。
エレキギターのヘッドホンおすすめ3選
ここからは、ギター練習に必要なポイントをおさえたおすすめのヘッドホンを3つ紹介します。
おすすめ1:AKG K702|B’z稲葉も愛用!
AKGの「K702」は、開放型のヘッドホンとして人気のアイテムです。B’zの稲葉が「HOME」のオンラインセッションで着用していたことから、ファンやSNSで話題になったこともあり、ヘッドホンの中でもかなり知名度が高まっています。
2023年12月現在では、価格も1.5万円前後とそこまで高いモデルではありませんが、発売当初は3,4万円と高価なヘッドホンの部類であったため、かなりの音の再現率であり、ギター練習には十分なクオリティです。
また「セルフアジャスト機能」があり、頭に装着するだけで自然な長さに調整できるため、長時間使用していてもストレスなく使用することができます。
ケーブルは取り外しができるため、自分が必要な長さのものを用意することもでき、ケーブル内部や端子部が故障した時にも取り換えることができるため長年使用するのにも向いています。
おすすめ2:VOX VGH-AC30|アンプ内蔵でギター直結!
ギターに直接挿入して音を聞くことができるため、ヘッドホン本体があれば他には何もいらないという手軽さが魅力です。リバーブ、コーラス、ディレイなどの基本的なエフェクトも内蔵しているため、基本的な音質の調整ができます。
電源ONではヘッドホンアンプに、電源OFF時ではステレオヘッドホンになるため、ギター練習だけでなく、普段使いにもなるため、自宅の練習環境においておく機材を減らすことができ、ミニマリストなギタリストにもおすすめです。
価格は2023年12月で1万円前後と、「ヘッドホンアンプ」+「ヘッドホン」を購入するよりもお値打ちに機材を揃えられることができるため、総合的に考えると最もお値打ちな選択肢です。
おすすめ3:NEUMANN NDH30|折りたたんでコンパクトに!
NEUMANNの「NDH30」は、プロ向けのモニターヘッドホンとして高品質のモデルで、ミキシングやマスタリングにも使える万能タイプのヘッドホンです。
優れた快適性と高品質な構造を備え、38mmダイナミック型ユニットが非常に速い過渡応答、乾いた低音、色付けのない中音域、透明な高音域を実現します。高域での過度な強調を排除し、正確なミキシング判断が可能です。また、ステレオパノラマで鋭い定位を実現し、深いミックスを鮮明にします。
また、高級機種には珍しく折り畳みできることで自宅の中でもコンパクトに収納しておくことができるため、ヘッドホンの置き場に困ることもありません。さらに、ギター練習にはもちろんのこと、パソコンから音楽を流して耳コピをする場合にも、必要な音に集中して聞くことができるなど、さまざまな用途で活躍するヘッドホンです。
価格は10万円前後(2023年12月現在)とかなりの値段ですが、品質の高さと個性的なデザイン、確かなブランド力により、「これがあれば、他にはいらない」と言えるほど満足感の高いアイテムです。
まとめ
自宅でのギター練習でご近所トラブルを回避するためには、ヘッドホンを使うのがおすすめです。ヘッドホンによってもさまざまなタイプがありますが、せっかくならギター練習に向いているものを選びましょう。
また、以下の記事では自宅で練習したい初心者におすすめの練習曲について解説しているので、よかったら参考にしてください。
さらに、以下の記事では自宅で練習する際によくある「ストラップが外れる」トラブルの回避方法について説明しているので、よかったら参考にしてください。